Category 2019-2023


母と妹が亡くなった頃から花を花瓶に生けることが多くなった。
そのうちネットで見ていたらちょっとした工夫で生花と言うものが手が届く範囲にあるの
だとわかった。
野の花を摘んでくる・・・犬の散歩に行くたびに「わ〜この枝欲しい、赤い実可愛いなあ
」と足が止まる。花屋さんに行ってブーケではなく一本ずつ選び、それをなんとなく飾っ
てみる。剣山、ハサミ、今はネットですぐ取り寄せ可能。ベルギーにもフランスにもオラ
ンダにも「ikebana」で検索すると出てくるのだ。
そんなおり、コスモスいっぱいの農場を娘・道子に紹介してもらった。そこは街の管轄下
にありコスモス一本50セント、ダリアは80セントです・・鉄の箱に自ら入れる。その時な
かったら後でもいい。まとめて入れておいてもいい・・・
うちから歩いて15分。
東京の我が家では歩いて野川まで白鷺、カワセミを見に行くのが道子との夏休み夕方の楽
しみだった。今や独立している29歳の娘と一緒に散歩するのは本当に贅沢な心温まる時間
だ。
ブリュッセルでもそんな場所があればいいな〜と思っていたのでタイミングバッチリでハ
マってしまった・・・
何しろ色々な花を摘める。もう冬も近くで花も終わりかと思うけど菊類はまだ。ダリア系
も健在だ。
だんだんやっているうちに花の持ち様もわかってきてどれをどのように切っていけば良い
かもわかってきた。
季節がらススキも多くその処理の仕方もネットで教わった。水切りの仕方、ススキの葉の
裏にクリームを塗ることなど・・・花によっては1週間、2週間経っても健在なものもあっ
てびっくりする。


紅葉は木から外れるとすぐに黒ずんでくる・・
どんなに綺麗な赤も黄色も色が悪くなる。
見事な黄色の花畑が今は茶色に朽ちていく。
そして土に還る・・
まさに一生とはそう言うものなのだろう。
                   2023年11月ブリュッセルにて