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一生

人は変わらないなあ〜とこの頃よく思う。
昨日私の最初の生徒マルセルが訪ねてきた。もうかれこれ20年以上知っているわけで、
その間子供たちも仲良くなり遊んでもらい、彼は結婚してマレーシアオケに入り、男の子
3人の父親になった。
今回そのオケが潰れたのでヨーロッパに戻ってきて職探し中。コロナの影響はあらゆると
ころにある。
40過ぎてまたまたオーデイションをやるのだ。
大変だが歌手を含め我々のコンサート業は多かれ少なかれいつもその「再デビュー」の恐
怖と向き合う。
今もコロナ禍でなくなった演奏会後、果たして自分は弾けるだろうか?と自問するのは私
一人ではない。
ある程度の「習慣」がないとだめだ。
話を元に戻すと、彼はそのオーデイション前に「緊張するために」私の前で弾きにきた、
というわけだ。
もう何年も会っていないのだが、全く変わらない。頭の後ろの白髪がなんだか「こいつも
歳をとったのか」と感慨深く眺める。自分のことは棚に上げて・・・
モーツアルトの4番。緊張のうちに弾いたが全て一応ハマっている。
チャイコン、悪くない。
その後少々のアドヴァイスはしたものの、真骨頂はその後の現在の弟子たちのレッスンだ
った。
ミカエル、プロコの2番、フョードル、イザイの6番、ゾルタン、チャイコンと弾いてい
く中で「音程」「低い、高い、4度、5度、」と最初は静かに説明していたものの興が乗
って私は急に興が冷めて「もう任せます」とお茶出しに回った(笑)
思い出したよ〜あんたの「音程フリーク」
よくぞ言ってくれた、大助かりの私です。
それにしても人は変わらないなあ〜紆余曲折があり、いろいろな出会いや別れがあり、場
所や仕事が変わってもその人が持っているものは変わらずそれを「性格」というより「一
生」というのだとつくづく思う。幼児、いやお腹にいる時から「性格」があってその基本
が作られ、どこにいようがずーっと続くもの・・・・
妹が若くして逝った事も一生と考えると長短ではない。
それだけ「死」というのは大変な事だ。
さてシューベルトのグランドデユオの仕込みにかかる。
この人もあちらからこちらをみている。
アファナシエフとの絡み合いがどの様なものになるのか楽しみだ。
なんというか「音」というものはまさにこの「一生」もので違う楽器を弾いても、歳を重
ねてもわかるものだ。
またそのはずである・・・
しかしながら楽器は良いものを、技量とそぐわぬ楽器を持つ人は進歩は難しい事も事実だ。

お金と技・・・良い学校、良い先生・・・才能・・・
人の「成り行き」も一生であるということか!

                 2022年2月8日

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