Category 2019-2022

昨日ブリュッセルの入試が終わった。色々な国によって事情が違い、ロンドンのように奨学金をとるため12月に決定するところ、パリのコンセルバトリーのように1月の試験、またはマストリヒトは4月、5月にはもうEU圏外は受付拒否・・・の制度のせいでブリュッセルはたくさん来る?7月頭と9月頭の入試で40人以上登録してきた。
世の中卒業証書という紙が必要になってきている時代だ。
ヴァイオリンを弾く事の他にすべての授業、教養を身に着け一般教科を把握せよ!

ところで私の今年のクラスはたくさんの国の人がいる。
はたと気が付いて数えてみたら、
日本人2人、
中国人2人、
台湾人1人、
ポルトガル人2人、
イタリア人1人、
ブラジル人1人、
ロシア人1人、これがブリュッセルのクラス、

マストリヒトには
マレーシア人1人、
日本人1人、
ハンガリー人1人、
リトアニア人1人、
オランダ人1人、
コロンビア人1人がいる。

なんと13か国にもなる!
教え始めた最初のうちは日本人が多く、そのあと年によってフランス人が多かったり、ベルギー人が多かったりしたがここまで国籍が多様化したのは初めてのことだ。
みなヴァイオリンを学びたくてやってきた。サンクトペテルブルグのヴァイオリン一族から・・・イタリアからロシア、モスクワを経て?パリのコンセルバトリー室内楽科から?
中国から?マレーシアから日本人の先生についていて?
年齢も17歳から27歳まで。ちょうど子供たちの年頃のあたりだ。その子供たちは手を離れちょうど私の生徒のように留学して新しい生活に挑戦している息子、昨年から働き始め、そのほかにも展覧会をやっている娘たちに姿が重なる事もある。

英語で教える。この事も全くヴァイオリンというツールがなかったら成りたつものではない。
私の英語力!留学した経験もなく最初の英語の地マルボロでは
「Do you pray Blahms?」(ブラームス祈りますか?)本当は[Do you play Brahms ?](ブラームス弾きますか)とRとLを間違え、大笑いされたり。
アルバン・ベルグの抒情組曲「lyric suite」がうまく言えずにいつも「は?」と言われ、またまた落ち込んで口が開けなくなったり、数えればきりがない。
フランス語では蟻「Fourmi」のouがうまく言えず、また「meringue」(メランゲ)がうまく言えずお菓子やさんで「deux meringues svp」{メランゲ二つください}とママに言わせたい子供たちに笑われること然り!
今年5月、仙台国際コンクール審査の折り、アメリカ人、イギリス人審査員との会話はテンポも語彙も多く、いつもヨーロッパで第2国語としてお互い使っている英語のハードルを数段階上げながら頑張ったものだ!
元々日本だけで教育を受け、当然日本語ですべてを考えた私がいきなりエリザベート優勝して大海にほおりこまれた~
はたまたベルギーという言語的には非常に寛容的な…悪く言えばあいまいでちっともうまくならない環境に住んでいるとそれで世界がまわってしまうという恐ろしさ。慣れはコワイ・・・

生徒の出身国が多いからどうというものではない。しかし一人ひとりの背景が面白いではないか!

夏休み・・・はあったかなかったかわからないけれど、また新しいエネルギーの登場にワクワクしている。
                  2019年9月4日ブリュッセル

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